2009年05月28日

気分はフラ-もう一つのフラメンコ(2)

もう一つのフラメンコのつづきです。

ピカードによる細かく上下行するスケール

上下降する長いスケールでピカードをする場合が多く、譜面を見ただけでクラクラしそうですが、その曲の調子のスケールとバリェーションのパーターンをトレーニングしていると比較的音取りがラクになることがあります。
特にトラディショナルなものは、一定のパータンが繰り返し現れるのが見て取れるのでスケールトレーニングは有効な手段といえます。

例えば次の様なグラナイーナでの典型的なスケールパターンみたいに・・・

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この基本パターンから次の様に色々バリェーションができます。

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僕はスーケールが短いスパンだと弾けるけど長くなると「かんでしまう」ふらふら(芸人がしゃべりで咬むのに似ているのでこう呼んでいます)場合が多く、人それぞれ原因があるとは思いますが、左指の独立性に持久力が無いのが最も大きな原因だったようで、比較的長いスケールを一定の速さで弾くトレーニングを積む事でかなり改善されました。

殆どはこのようなスケールパターンを基に音に変化をつけているケースが多いので、基本のパターンを身につけていると音符が羅列した一見取っ付きにくいピカードも「オッこれはあのパターンを基にしているな」と初見が効いてきます。

次に僕がトレーニングしていたタランタのスケールのトレーニングの幾つかを紹介しておきます。
先ずタランタのスケールの基本パターンを習得・・・

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速く弾くのが主な目的ではなく運指のパターンに慣れるのが目的です。
ピカードを素早く行うには、また違ったトレーニングが必要ですが、(以前の速弾きに関するブルグ等)基本的な指の動きが体得できていれば、慣れるにしたがってそのまま素早く弾ける様になるようです。

ジグザクで上昇、下降---比較的よくでてくるパターンです。

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ハイポジションだけで---これもよく出て来る・・・

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ハイポジションはフレットの間隔が狭いので左指がラクかと思ったら逆で弦高が高くなるので指がバタついて引っ掛けたりしやすいですね、
バタつきを抑える事でかなり安定するようです。



このようなスケールを使ったトレーニングパターンは工夫することで色々作れます。
参考に・・・

例えば高音に移動するときに開放弦を使って一跨ぎ!
赤丸の解放弦を介することで運指の効率化を計る

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とか
指をスライドして高音に移動とかですね。
スライドのタイミングとスライドのさせ方に留意・・・

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アルペジオとスケールが合体?

ピカードとは異なる音色で細かな上下行するスケールパターンで音の重なりの響きをだす独特な奏法でアルペジのようなアルアイレの指使いでスケールを弾くテクです。

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スロー


これは右指の逆ポジション(逆指)の克服と独立性がかなり高くなっていないと、難しいテクなのですが、たまに出てくるのでリブロ系が弾きたい方はこのようなテクも少しづつでもトレーニングしておいた方がいいかもしれません。

なるべく鳴っている音を消音しないようにするためアルアイレで弾くことがポイントで、このようなパターンは、imだけではなくa指を使う方が効率的みたいです。

そこで問題のa指の独立性のレベルですがa指の使用頻度は3度に一度の頻度なので、特別素早く動かす必要はないのですが、ある程度独立してコントロールできていないとタイミングの崩れ、他の弦への引っ掛け等のミスが起きます。

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装飾的トレモロ

ラスゲの前に装飾的にトレモロを弾くテク
リブレ系だけではなくコンパス系でも出て来るどちらかと言うと一般的テクですが、連続させるのはリブレ系で多いですね。
amiの3連の場合も有りますが、ほとんどがiamiの4連です。
トレモロとpのダウンストロークの間に間隙が出来ない様に一気に弾く事が要求されます。

タランタのコードで・・・
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これと似た装飾的なアルペジオパターンやラスゲパターンもありますが、考え方は同じだと思います。

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楽譜では上記の様に表わされる事が多いですが、実際はの次のように前の裏拍あるいは一瞬前から弾かれストロークで拍がマッチングするように弾くのが普通です。

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必ずしも正確にそうなっているというより、ノリ優先の感覚的なものです。
例えば次ぎの例では1小節の2拍からの装飾音は前の拍に食い込んでストロークでタイミングを合わせますが、4小節目のストロークの装飾ラスゲは前の拍の6連アルペジオで詰まってしまっているので装飾音の出だしが拍の頭になります。
しかしここのストーロクのアクセントが重要な場合前の拍が圧縮されたようになってストロークが拍に合わせられると言った感じですね。

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カンパネラ効果を活かしたオルキーリャ(Pとiによるアルペジオ)

高音開放弦と低音ハイポジションのメロディーとを響かせるテクです。
これもどちらかと言うとフラギの一般的なテクですが、ポイントは高音の開放弦を消音しないように左指を立てて押弦することと、弦高が高くなる事よって起こる、押弦、離弦の切れの悪さによる、音のもたつきを克服することですね。

グラナイーナでよく出て来るパターンで・・・

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コントロールされたトレモロ

5連トレモロが安定して弾けるだけでなく十分にコントロールするのは、結構年期がいるもので指の感覚が鍛われるのには時間と汗が必要です。
リブロ系の曲はテンポが大きく揺れるので自由にトレモロの速度を加速減速でき、それに伴った音のコントロールも必要になってきます。
さらにトレモロ内での音の変化に対処できることも必要です。

僕は5連トレモロは初期の頃から(以前のブログで5連トレモロを考察しているのでそちらを参照してみてください)取り組んでいたので他のテクと比べると難しい運指じゃ無い場合は割とすんなり入れました。

タランタではこんな感じ・・・

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コントロールされたアルペジオ

ソレアとかアレグリアスとかのアルペジオで旋律を出す場合、低音側が旋律のパターンが多いですがリブレ系では高音側が旋律になるパターンが多いようです。

その場合旋律を弾く指(主にa指)をアポヤンドしてメロデーを浮き立たせます。
このテクをトレーニングするにはクラギのアルペジオの練習曲とかが結構効果があります、これについては、またの機会に紹介したいと思います。
こちらもクラギをやっていたおかげで難しい運指でなければ、ある程度対処できるみたい・・・

同様にタランタでの感じは・・・

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何れもメロディーラインを鮮明に出す事が要求されるので、先ずはメロディーをよく把握することが重要でしょう。

上記のトレモロとアルペシオ2つのメロディーラインは次単純なスケールを基にしたものです。

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大体の弾き方は理解できてきたので、そろそろ曲に挑戦できそう!わーい(嬉しい顔)。(今手頃な曲を選曲中です。)
posted by saintcat at 22:03| Comment(2) | 気分はフラメンコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

気分はフラ-もう一つのフラメンコ(1)

ブレリアス、タンゴス等のトーケ・ア・コンパスと呼ばれるリズミカルなパロとは対照的な、トーケ・ア・リブレと呼ばれる、はっきりとしたリズムを持たず自由に弾かれるパロの一群があります。
ファンタンゴス系の曲に多いのですが、ほの暗い哀愁のタランタ(リズミカルなものはタラント)、スパニッシュ的な叙情漂うグラナイーナ、いぶし銀のような渋さでが玄人好みのロンデーニャ等が代表的ですね。
グラナイーナ、マラゲーニャなど一つの曲のなかに比較的自由に弾かれる部分とリズミカリな部分がはっきり分かれている者も有ります。

自由ってどれくらい・・・

この「自由に」と言うのが、なかなかくせ者で、単調な繰り返しが多いものや、芯の無いメランコリックなだけの「・・・?」と思ってしまう曲もありますが、パコのReflej de Luna、Fuente y Caudal ビセンテのMorente、Callejon de la Luna等の名曲も多くあります。
是非レパートリーに取り入れたいと思うのですが、如何せん情報量が少ない上に有名所の名曲は、メチャ難しいときています。(中度の難易度のものが殆ど無い!)

自由といっても程度があって、まだ拍子は残っている軽めの自由度で、3/4とか4/4とかの節が有るもの、非常に自由でまったく拍子がない・・・といった感じなのです。
そもそも楽譜上の音符は絶対的な音の長さを表わす記号ではないのですが、ここまでくると相対的でもなくなってきて同じ譜面上であっても8音符、16分音符、32音符の区別は感覚的になり、8分音符だから遅く弾く16分音符だから速く弾く程度で、連符もひとまとまりのグループあるいはビームを連結した程度の意味になってくるのですね。


テクニック的には、ラスゲは、殆ど使われず、リズムをとるより衝撃、焦燥などの気分を表現しているかのような使用のされ方が多いですね。
全体的にはどちらかというとクラシックギター的なテクニックが多く美しい音の出し方も要求されます。
コントロールされたアルペジオ、正確なピカード、安定したトレモロが求められることが多く、やはり中級、上級の曲が多い所以です。
特に自由度が高いタランタ、グラナイーナは楽譜をみても16分音符や32分音符がダラーと書かれていて運指も書かれていないと一層難しく手強そうに感じます。


先ほど書いたようにアルペジオ、ピカード、トレモロがある程度、自由にコントロールできるレベルになっていなければならないのは、遺憾ともしがたい事実でして、これらは曲の中で習得するよりメカニカルな飽くなきトレーニングで身につけるしか無いと思います。
これらのテクはトーケ・ア・リブレ特有のものと言うわけでは無く頻度の差こそあれ他のパロ(トーケ・ア・コンパス)でも見られるので、リブレ系の曲を殆ど弾かない方でも、トレーニングの一つとしてやっておくのも無駄ではないと思います。
先ずは、この手の曲を何回も聞いて雰囲気を掴む事から始めるのが良いとのですが、弾きたいなぁーとCDを聞くだけで指をくわえて、楽譜を眺めていても始まらないし、どこから手を付けて良いやら迷いますが、"無節操達人指向門"の僕としては、とりあえずよく出て来る弾けそうなパターンを抽出してコツコツと・・・

*すべてカポ2で弾いています。
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折り返しアルペジオ

タランタやグラナイーナで多用されるテクでpima-a-----を使用して波が折り返しては寄せるような、音のウェーブを作るテクです。
a指は、高音弦から低音弦に掻き揚げるように引き上げますが、m、i指が使われることもあるようです。


最初は指の動きを安定させるためpimaを弦上にセットしてからアルペジオを弾き始めますが、鳴っている音は消音させず、洞窟の中で音か同士が響き合っているようにするためは、安定して弾け出したら指が弦に触れるのは、弾く瞬間だけにする必要があるようです。

コードを変えながら連続してやってみます。
(タランタに特徴的なコード進行で)
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指を立てて時に強く、あるいは柔らかく囁く様に撫でる様に自由にアイレを表現・・・

その他4-8連アルペジオを連続して鳴らして響かせるテクも多く見られます。


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連続するレガート(スラー)

地獄のトリルトレーニングのようなハンマーオン、ブルオフの連続です。
単純にレガートを繰り返すだけならそんなに難しくないのですが、一定のコードを掴んだまま長時間、レガートを安定して引き続けるのは結構しんどい・・・
こうなるとスラーをするというより左指で弦を弾いている感じですね。
指が。弦に対して楕円軌跡を描いてハンマーオン、プルオフすることが、コツなようです。
(かなりの独立性が必要です。)

先ほどと同じ様にタランタの特徴的コード進行で
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拘束条件でのスケールのレガート

左指何れかを押弦したまま上昇、下降するスケールをレガートするテクですが、
拘束しないで難なく弾けるパターンも拘束したとたん難しく感じられます。
これは拘束していない場合はスラーする時に僅かでも手首の回転や移動を使っていたためなようです。
拘束されると全くの指の運動だけでスラーしなければならないので難しいみたいです(独立性の問題も絡みますが)
焦らずゆっくりと・・・

グラナイーナのパターンで

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スロー



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アルベジオ、とスラーが合体したような、フラメンコギター独特のテク。
それぞれの音をなるべく消音させずに響かせます。
その為に左手のF音の4指は、そのまま離さずに維持続けます。
(赤丸の音を持続)

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次のパターンはハンマーオンも加わります。

libre04.jpg



スロー



これは、特にタランタで多用されるテクで、パロの特徴をいっそう際立たせます。
コツと要求は、同様にをなるべく消音させずに響かせるのですが、
F音の3指はそのままずっと離ささず3弦をハンマーオンした3指は次にプルオフする間で離さず、しかも押弦している指で隣の弦を消音はしないように(触れないように)します。
やはり指が拘束されると難しくなりますね。
これを親指で弾く場合もありますが、その場合は例外的に消音を避ける為アルアイレで弾きます。(音を強調する場合アポヤンドする場合もあります。)

参考にムービもアップしときます。


もう一丁同パターンで低音をメインに・・・

libre14.jpg



スロー



*スラー、レガート、ハンマーオン・プルオフ---3つとも同じ奏法です。

続く
posted by saintcat at 12:16| Comment(0) | 気分はフラメンコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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