2009年06月28日

ギターでリズムに乗ろう!(1)

突然ですが、次のアルペジオを弾いてみて下さい。

Lythm01.jpg

弾くと直ぐにジ*キ*のあのメロデーが頭に浮ぶ人は簡単に弾けると思います。

では次にこれをメトロノームに合わせて弾いてみて下さい。

うまく弾けたでしょうか?

弾けた人もノッて弾けたでしょうか?

もし初っぱなからノッて弾けた方は、今から僕がやろうとしているトレーニングは殆ど必要が無いと思います。(殆どどころか全く!)

合わせられるけどノッてない、機械的な感じがする、ぜんぜん合わない、最初は合わないけどだんだん合って来た、逆に合っていたけどだんだん合わなくなってきた、等様々かもしれません。

合わせにくいと感じた人は、このアルペジオのリズムをよく見てみてると

一拍目から直ぐに裏拍にはいって4拍目裏から1拍目表拍に戻る、殆ど裏拍で進行するリズムだからだと思います。
これをストロークで弾くと何故かアルペジオの時よりリズムがとりやすく感じられますね。


ぼくが、このギター奏法のブログとフラメンコギターを始めるキッカケとなった一つに、このリズムとノリの問題があるのですが、以前ブログで発音タイミングを考察した時はギター特有の技術的な側面よりのアプローチしたので、今回はリズム、ノリといたアプローチで考察したいと思います。

リズムにつていは古今の学者さん達が様々な角度から研究されているので、それらを読まれることをお奨めしますが、ここではギターのトレーニングという観点から眺めてみましょう。

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リズムとは
ここでリズムについて簡単におさらいしておきましょう。

リズムに関係するものにテンポ、ビート等がありますがこれらはリズムと関係が深いのですがリズムではありません。

例えば

Lythm02.jpg


は拍動、パルス、ビート、ウェーブと言えますがリズムは、まだ付いていません。
つまり一定の速さ(テンポ)エネルギーの単純な律動ですね。


これに強弱が一定の間隔で加わるとそこにリズムが出て来る、つまり一定の速さのエルネギーに一定の感覚で強弱が有るのがリズムです。

Lythm03.jpg

3/4とか4/4と言う拍子ですね。

更に色々な音の長さ(ディレーション)の組み合わせるとリズムパータンが出来ます。

例えばギャロップのリズムと言う時は、譜面に書かれようが、スキップしながら飛んで回回ろうが、音の長さの組み合わせに弾む様なエネルギーの強弱が有ることを意味します。

リズムパターンは非常に沢山ありますが、リズムパターンとは基本的にディレーションの違う音を組み合わせる、或は音を一定の間隔を様々に分割する事だと思います。

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ノリが生まれる時

機械的にリズムをトレースするだけでは、未だノリは生まれていません。

「リズムにノル」等と言いますが、リズムがあってそれに"感応して"ある範囲内で同調している状態、あるいはその感覚がノリなわけです。

リズム感が良いと言うときはリズムが正確で、それに心地よく反応(感じて)している、つまりノッいる状態で、聞いている側もそれを感じている様をいっているのですね。

Lythm04.jpg
となればノリを感じやすくなります。つまりエネルギーの強弱にある種の加速度を加えることによって反応し易くなる・・・
ちょっと物理学のようになってきましたが、先ほどアルペジオよりストロークほうが合わせ易い、ノリ易いと感じたのは、ストロークの方が加速度を加え易い、感じ易いからでしょう。

弾むボールの放物線と同様に身体を上下させることは同じく重力の加速度を身体で感じる事です、筋肉収縮もバネのように加速度を感じます。
そこには「タメ」やその「解放」の感覚とその状態があります。

舞踏を基本とした音楽には殆どすべて、この加速度があります。
(日本の摺り足や間を基本とする能などは特殊な部類ではないかと思います。)

ここでは、リズムの民族性というような問題には立ち入らずに、(ブラックミュージックやフラメンコをやるには黒人やスペイン人にならなければならないといった・・・)どうすればリズム感ノリを得られるかという実践的な部分に集中しましょう。

さきほどのアルペジをに話をもどすと

表拍では落ちて来る時の加速エネルギーが発音で発散します、太鼓を叩く時、タクトを振り下ろす時です。

裏拍は丁度放物線の最高点(飽和点)に相当します。つまり太鼓のバチを振り上げたところあるいはタクトを振り上げた時ですね。

ギターのストロークの上下運動には、このエネルギーの集散があるのでノリ易いのだと思います
しかしアルペジオの指の微小な動きでは、この加速度を感じにくいのでノリにくいのでしょうね。

そこで、体でリズムを取る事が一つのカギとなります。体のリズムが指に伝わる(感じる)ようにするのですね。

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体でノッて・・・

体の中では腰が一番リズムを取り易いといわれています。恐らく重力を一番感じられる部分で体のバランスを取る要だからでしょう。

足でリズムを取る方法も良いと思いますが、その場合はつま先ではなく踵のほうがよく、重力を感じるために脱力して踏みならします。(ドスーン、ドスーンとやって奥さんに叱られない様に)
身体が沈む時、足を踏み下ろす時が表、上げるときが裏です。

デジタル音のだけのメトロノームより視覚的な動きを伴うメトロームも助けになるかもしれません。
サウンドを仕込めるならピッピッというような電子音よりバス・ドラムとかベース音の方が効果的だと思います。
そう言う意味からAuftaktのようなフリーのメトロノームソフトは示唆的であるといえるでしょう。

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つぎのトレーニングをやってみましょう

裏拍で発弦するようにします。

Lythm05.jpg


ベースがリズム表現に適している様に低音の方がエネルギーを感じ易いので親指(最もバネ力を感じ易い)低音弦で弾きつつ腰或は足でリズムを取ります。
(此のトレーニングは、足でリズムを取ったりする前に、先ずはメトローノーム等一定の間隔で音の出るものと合わせることをお奨めします。)

この時パルスのような一本調子や、なだらかなウェーブではなく弾むような感じにします。
音を聞くと同時に感じる事に留意します。

感じが掴めない方は次のように表拍の部分を親指で消音にしてみてください。
それがキッカケとなつてノリが出て来ると思います。

Lythm06.jpg


ストロークと違って上下運動でエネルギーを感ずるのが難しいのと、発音することはエネルギーの発散であるので裏拍のエネルギーの集中と全く反対になり少し混乱しますが、ココが最も重要な点であるのと同時にノリの萌芽となる点です。
脳の思考と感覚を転換させるのです!

この「反する感じ」が、脳が心地よい、面白いと感ずるまで弾くのです。
一旦脳が此の感覚を獲得し回路が出来てしまうと努力せずとも自然にノッて外す方が難しいくらいになってきます。

テンポを速くしたり、遅くして試してみましょう。

リズム感とテンポ感は同じものではないと思いますが、どうも関係しているらしくリズム感が良くなっていくとテンポ音痴も改善されるようです。


落ちるエネルギーと上昇するエネルギーが、バネのように引き合ったり反発し合うのを感じる迄つづけます。
此の感じはテンポがあまり遅いと間延びして感じにくくなってきますので始めは遅くても80前後が良いでしょう。慣れてくれば相当遅くしてしても大丈夫になってきます。
(ノリのある曲は総じて速い)

此の時裏拍を強くするために表拍に無感覚になってはだめです、逆に表拍を感じ意識することが必要です。
表を強く感じる程、反作用の様に裏が強くなる・・・
ビートを強く感じる程ノリ易いのは此の為だと思います。
勿論裏拍だけを弾く事は可能ですが、表のビートが全くない(感じられない)裏拍は、エネルギーを失ったただのパルスになってしまいます。

その感じが得られたら高音弦とiやma指との組み合わせでも同様に行います。

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次に最初のアルペジをで行います。

どうでしょうか、かなりアルペジオでもノリの感覚が出て来たのではないでしょうか。


アルペジオでいうと2拍目裏で最もエネルギーを強く感じるように弾いてみます。
より強くノリを感じませんか?
つまり此の曲はルンバフラメンカ(厳密にはジプシールンバと言うらしい)なのでアノ感じに近づくのですね。

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今度は裏拍でスケールを弾いてみます。

Lythm07.jpg

単音で上手くいったので 簡単と思いきや、エネルギーを感じるのが以外と難しい・・・

音階が作るメロディーを聞こうとする意識が影響するのか?
不思議です。

よほど表拍リズムの呪縛が強いらしく、左指の押弦のタイミングが表拍にひっぱられる感じもして一寸長くなると微妙にバズしてしまいます。

先ほどと同じく表拍の所で消音して「きっかけ」をつくってやるとそこでエネルギーのタメができるせいかノリが出てきます。

これをやっているとメロディーや音の強弱ではなく身体にリズム感とノリの源が有るのがわかります。
何回もやって体と脳に刷り込む・・・おっ!いい感じ!!


次回はリズムパターンについて考察します。

posted by saintcat at 17:02| Comment(5) | ギター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月15日

迷曲彷徨-モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲(4)

変奏2と3です。

テクニック的に特別難しいところは無いみたいです。
フレージングとか音楽的に少し考察した方がいいと思われるところがあるようですが音楽的解釈にはあまり立ち入らずに(苦手なので)如何に効率的かつ効果的に弾くかに焦点を絞って考察したいと思います。

全体を通して楽譜によってあるいはギタリストによって運指が随分違ところがありました。

この曲のオリジナル楽譜は見た事がないのですが、もしかしたら運指がほとんど記されていなかったのではないかと想像されます。
ギターの様な弦楽器ではタルレガの作品のように音色を示唆するように運指がある程度指示されていないと解釈によって如何様にも運指の組み合わせが考えられるのでこのような違いが出て来るのかも・・・

どれが最善なのか、音色重視か効率重視(弾き易さ)か、悩む所ですが、音色は好み、効率は、技術的レベル、指の長さとかで違って来るので・・・実はまだどれを採用するか思案中なのです。



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第2変奏の2小節から

Vr02-03a.jpg


と言う感じです。

「演奏し易いが音色のコントロールが難しい、フレージングを考えて少し演奏しにくくても滑らかに歌えるか」とかの違いがあります。
開放弦も含めてローポジションは鳴り易いが、音色のコントロールがあまり出来ない、ハイポジションは、音色のコントロールは効くが、音量とデレーションに制限があるし楽器の構造により音程が、不安定になり易い等々・・・

後の方は押弦の切り替えでポジションが飛ぶので注意していないと、微かにメロデーに間隙ができやすいですね
(全く間隙が出来ない様にする事は可能ですが)

前者は、ポジションの移動がないので、フレージングをより滑らかにすることができますが、押弦に指のストレッチが必要になり押さえにくさが出てきます。
僕としてはこちらをお奨めします。

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5小節の装飾音は、譜面通り弾く為にはかなり素早く弾かなければなりませんが、ギタリストによって色々ちがいます。

Vr02-03b.jpg

ある程度デレーションを引っ張って弾くギタリストもいますし、まったく装飾音を弾かないギタリストもいますね(山下氏)

音楽的にみた場合、明らかにA音の装飾音なのですが、装飾音とA音を分けてスラーをA音掛けずに実音でA音を出して強調した方が付点音の弾む感じがでるので、この弾き方にしてみました。

全体的にみても装飾音の扱いはギタリストによってマチマチみたいです。

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8小節目もローポジションの運指とハイポジションの運指があります。

Vr02-03e.jpg

どちらを採用するかで、前の6連符の左の運指が大きく変わるので6連符から一連の流れで運指を決めた方がいいですね。






取りあえず僕は後者の明るい響きの方が好きなので、後者で弾きました。

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11-12小節は、解釈でフレージングの仕方が変わり、聞こえ方が随分違ってきます。
音の流れをみますと

Vr02-03c.jpg

と言うようにハッキリと上の流れと下の流れが有ります。

メロディーは高音で始まり12小節2拍目で低音の方に移っていると見るか、高音で流れて低音は響きとして変化していると見るか?

楽譜によってもギタリストによっても解釈はマチマチみたいです。

例えば高音で流れていくと考えると13小節1拍から2拍の付点間の和音は控えめに弾き高音のデレーションを保つ為(消音しない様に)に運指もそれに合わせて弾くのが良いと思います。(序奏の付点の扱いからみるとオリジナルはこの様になっているのだと思います。)

低音にメロデーが移っていると考えてこの和音を、やや強く弾き(フォルテが指定の楽譜もある)ここで一旦フレーズを切り、次の16符音符はもっと短く装飾音的に弾いて、自次のフレーズに入るのも自然です。

Vr02-03d.jpg

こちらの弾き方のギタリストの方も結構多います。

この16分音符を弾かないギタリスもいますが、装飾音と言う考えなら納得はいきますね。

テクニック的にはこの低音のコードを弾く時は、ネック裏の親指は、動かさない様にした方が効率的で、滑らかな運指となります。運指(ボジション)が素早く「行きつ戻りつ」するときは、このような方法が効率的で演奏も滑らかになります。




このような部分は、今迄も、沢山出てきましたね。

みたいな・・・

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14小節はテーマの時と同様スラーを用いるものとそうでないものがあります。
どうやら此の曲は装飾音とスラーに関しては、曖昧な部分があるようですね、別な見方をすれば、お好みでどうぞということなんでしょう。

因に僕はスラーを使用していません。

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第3変奏

今迄どちらかというと付点音符を基本としたリズミックな演奏が良いようでしたが、変奏3では大きな起伏のフレージングを活かしたテンポをかなり揺らした自由な演奏が良いようです。
ぼくは、何かしら春の柔らかの日差しを受けて野原を飛び回るといった感じで演奏してみました。

ですからフレージングに留意して、フレーズ中にポジションが飛ぶ場合もなるべく滑らかになるように気をつけました。

3小節目はスラーを用いいるものとそうでないものがありましたが、ここはスラーが入った方が膨らみがでていい感じです。

5小節目も同様です。

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変奏2と3中では11小節から14小節が一番難しく感じる部分でした。
低音を維持しつつ4指3指を頻繁に動かさなければならないとろですね、

Vr02-03f.jpg
が最も効率的な運指だと思いますが、高音の運指を気にするあまり低音を押弦するのに弦をチョーキングみたいに下へひっぱってしまい音が微妙にフラットするのを是正するのに苦労しました。
低音の運指を切り替える所では4指をしっかり指板に固定(力を込めるわけでは有りませんが意識的にという意味で・・・)して安定させて低音のポジショニングを切り替えます。

参考に・・・


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譜面を見ていると、「ここは3声になっていて高音がメロディーとか、此の音は切らずにこの音との響きを出すとか、逆に和音が汚くなるので、消音する」とか、色々と勉強になることがあり、クラシックは難しいなぁと改めて思います(これが醍醐味ともいえますが)。

好みで勝手に弾いても良いのかもしれませんが、譜面には作曲者の様々な意図があるので「読み」はやはり必要だと感じています。

続く
posted by saintcat at 18:16| Comment(1) | 迷曲彷徨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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